提出していただいた問診票の内容の確認や追加の質問をすることで、検査を安全に行い、さらに診断や指導にも役立てます。
見ることで異常がないかを判断する視診、触れて異常なものを見つける触診、聴診器を当てて異常音がないかを調べる聴診などがあります。
受診当日に医師による結果説明があります。異常の有無、治療が必要かどうか、精密検査が必要かどうか、再検査が必要かどうか、生活習慣の修正が必要かどうかなどについて説明します。
保健指導医師による結果説明に引き続いて、全員に保健師や看護師による保健指導を行います。要治療、要精密検査、要再検査が必要と判定された方には受診方法をお話し、その後に生活習慣改善のための保健指導を実施します。この保健指導の仕組みは当センターに特徴的なものです。
追跡調査C判定・D判定の方は一定期間後に葉書で受診状況を確認させていただくことがあります。受診したかどうか(当院または他院)、最終判定はどうか(異常なし、要観察、治療開始)などをお知らせください。
検査を受けっぱなしでは意味がありません。二次検査が必要と判定された場合は必ず検査をお受けください。お知らせいただいた情報は責任をもって管理し、次回以後の受診の際に有効活用いたします。
脳梗塞、脳出血、まだ症状の出ていない無症侯性脳梗塞、脳腫瘍などの異常を発見します。
頭部MRAクモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤や脳血管奇形、脳梗塞の原因となる脳血管狭窄などの異常を発見します。
※ペースメーカー、脳動脈瘤クリップなど体内に金属のある方や閉所恐怖症の方は受診出来ません。
胸部を細かく撮影した情報をコンピュータ解析して断層像を合成したものです。胸部X線撮影では指摘困難な部位の病変や微細な病変を発見します。
測定は機器で同時に行います。太りすぎや、やせすぎがないかをみています。
BMI・肥満度体格を把握するための指標(体格指数)の一つです。Body Mass Indexの頭文字で、国際的に使用されている指標です。日本人はこの値が「22」のとき最も病気になりにくいと言われています。実測した体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算します。BMI22の数値を標準体重として肥満度を判定します。
腹囲立位で息をはいたときに測定し、内臓脂肪蓄積の状態を推測します。
腎臓や膀胱などの状態を知るために大切な検査です。尿は腎臓で作られ、体の中の老廃物を排泄し、体の中の状態を調節する働きがあります。
比重尿中成分や体内の水分量に影響を受けます。水分の取り方や発汗によって値が変わります。
pH体の中の酸性度をみる検査です。通常弱酸性です。食品の影響でアルカリ性になることもあります。
蛋白尿中の蛋白をみる検査です。陽性の場合は腎臓に原因がある場合もあります。ただし、発熱や疲労などで一時的に蛋白が陽性になることがあります。
尿糖尿糖は、血糖値がある一定以上高くならないと尿中には出てきません。尿糖が生じる血糖値は個人差が大きいので、尿検査結果で糖尿病を診断することはできません。
潜血尿に血液成分が混じっていないかを見る検査です。
沈査尿中の浮遊物を顕微鏡でみて調べます。
この検査では便に血液が混じってないかを見ています。人間の血液に反応する免疫法という方法で行っています。この反応が陽性の場合、大腸ポリープ、 大腸腫瘍などが原因となっている場合がありますので二次検査が必要です。
血液中の白血球や赤血球などを見て、貧血や血液の病気がないかを調べます。
白血球体外から入ってきた細菌に対して人間の体を守るために働きます。細菌感染を起こしていると白血球の数は増加します。また、喫煙で増加することもあります。
血液を作り出す働きに異常が無いか、血液の病気が無いかをみています。
私達の活動のもとになる酸素を肺から各組織へ運ぶ働きをしています。
ヘモグロビン赤血球に含まれる蛋白質と鉄から作られたものです。ここに含まれる鉄に酸素が肺で結びつき全身に運ばれて行きます。値が低いときは貧血が疑われます。
ヘマトクリット一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)をパーセントで表したものです。
MCV赤血球1個の平均的な容積量です。赤血球の大きさの指標となるものです。
MCH赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表わしたものです。
MCHC赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比をパーセントで表したものです。
血小板血液を凝固させる働きをしています。この値が極端に減少すると出血しやすくなります。
血液像白血球の種類を調べています。この項目は、基準範囲を越えてもただちに「病気である」ということではありません。他の検査項目と共に総合的に判断しています。
空腹時の血液中のブドウ糖の濃度です。100mg/dl以上110mg/dl未満であれば正常高値、110mg/dl以上126mg/dl未満であれば境界型、126mg/dl以上であれば糖尿病型と判断されます。
HbA1HbA1cは過去1〜2か月の血糖の状態を表す指標です。空腹時血糖が126mg/ dl以上かつHbA1cが6.5%以上であれば、1回の検査で糖尿病と診断されます。
空腹時インスリンインスリンは血糖を下げるホルモンです。インスリン分泌が不足する、または、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)と、血糖上昇をきたします。ただし、インスリン値が低い場合でも、血糖が正常範囲内であれば、特に心配はいりません。
HOMA-Rインスリン抵抗性の指標として用いられます。HOMA-R=空腹時血糖×空腹時インスリン÷405 一般的に内臓脂肪が蓄積するとインスリン抵抗性は増加(HOMA-R上昇)します。HOMA-Rが1.7以上の方は、内臓脂肪CTで内臓脂肪面積を測定することをお勧めします。
脂質代謝に関する検査です。これらは血液中の脂質の濃度を表わします。
総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、non-HDLコレステロール、中性脂肪細胞が毎日作りかえられるときの「ごみ」が尿酸です。尿酸が上昇すると痛 風発作を引き起こすことで知られていますが、痛風発作を起こさない高尿酸 血症でも尿路結石を作ったり、腎臓の血管に障害を及ぼして徐々に腎臓の働きを低下させたりします。また、心臓や血管の病気を引き起こしやすいとい われています。
胆汁に含まれる色素のことです。胆汁を流す管が詰まったり、肝臓の病気 などが原因で高値になります。ただし、病気が無くても体質的にこの値がやや高い方もいます。
GOT・GPTGOT(AST)は肝臓・心臓の筋肉・骨格筋などに存在する酵素です。GPT(ALT)は肝臓だけに存在する酵素です。これらの検査値が上昇する場合、一般に急性肝炎ではGOT>GPT、慢性肝炎ではGOT<GPTのパターンをとることが多いようです。肝炎関連ウイルスマーカーや他の血液検査とあわせて判断します。
γ-GPT肝臓、膵臓、血清、腎臓等に存在する酵素です。アルコールや薬物による肝 障害があると上昇します。また、胆汁の流れが障害された場合も上昇します。
ALP骨、腎臓、小腸、胆管、肝臓等に存在する酵素です。肝障害の他に胆汁の流れが障害された時・妊娠中・骨折などで上昇します。また更年期以降の女性の場合には高値をとる傾向があります。
LDH肝臓、心臓、腎臓、肺などに広く分布している酵素です。各臓器の細胞が何らかの原因で障害を受けると、この値が上昇します。
総蛋白全身の栄養状態を見ています。
アルブミン血液中の蛋白には、いろいろ種類があります。その中でも重要なものです。
ともに腎臓の働きをみる検査ですが、特にクレアチニンの値が重要です。また、尿素窒素が高値でクレアチニンが基準値内という組み合わせでは、人間ドックの場合には前日からの水分不足の影響によるものが一番考えられます。
e-GFR腎臓の機能をみる新しい指標です。男女別にクレアチニンと年齢を用いて計算します。尿蛋白陽性かe-GFRが60未満を慢性腎臓病(CKD)として管理します。
血液中の電解質のバランスをみる検査です。脱水、下痢、服薬などでも影響をうけますので、異常値がでてもただちに病気であるということではありません。他の検査項目と総合的に判断します。
CRPは通常、感染症や他の原因で体内に炎症を起こしていると考えられるときに血液中に増加する物質として測定され、上限0.30mg/dlとされます。炎症が治ってくると低下してきますので、炎症経過を観察する指標になります。 高感度CRPもこれと同一のものですが、さらに高感度に測定することにより、わずかな炎症でもその変化を捉えることができるようにしたものです。この数値は、心筋梗塞や脳梗塞の発症率に関わる危険因子と考えられます。
HCV抗体この項目が(+)の場合、過去にC型肝炎にかかったことがあるか、また現 在感染状態にあることを示します。これはあくまでもスクリーニング検査なので、陽性となった場合は、「C型肝炎ウイルス」が体の中に現在存在しているかを調べる必要があります。
HBs抗原この項目が(+)の場合、現在B型肝炎ウイルスを保有していることが考えられます。B型肝炎ウイルスに関して、さらに詳しい検査を行う必要があります。
脳にある下垂体という場所から分泌されるホルモンで甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンを分泌させる働きをしています。
FT4甲状腺から分泌されるホルモンで、代謝に関与します。
肺や気管、心臓、大動脈などの形態的な情報を得ることができます。また、側わん症(背骨の歪み)、肋骨や背骨の骨折のあと、胸部(肺・心臓・乳房)の手術のあとを指摘されることもあります。古い結核や胸膜炎の跡など(結節影とか陳旧性病変などと記載されること が多いです)は特に心配いりませんが、他の疾患と区別するため再検査およびCT検査などによる精密検査をする場合もあります。
肺機能検査肺の働きが十分で換気が順調に行われているかを調べています。形態的な 異常を見つける胸部X線検査と並んで呼吸器系についての大切な検査です。
当センターでは安静時の心電図を調べます。心電図では、不整脈、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、心臓肥大などの疑いを指摘されることがあります。心電図に異常があるからといって、すぐに「病気がある」というわけでもありませんが、精密検査を勧められた方は必ず検査を受けて下さい。
血圧血圧は、血圧=心拍出量×末梢血管抵抗 で規定されます。
収縮期血圧は心臓が最も収縮した時の血圧で、拡張期血圧は心臓が最もひろがった時の血圧です。末梢の血管が収縮すると血圧は高くなり、血管が拡張すると血圧は低くなります。また肥満の場合、全身を巡る血液量が増加するため血圧は高くなると言われています。血圧は1日の中でも変動しますので、起床後の家庭血圧測定(<135 かつ < 85)なども有意義です。
1分間に心臓が拍動する数を数えています。一般に脈拍数=心拍数ですが、不整脈がある場合は異なることもあります。
バリウムを飲みX線撮影することで、食道・胃・十二指腸の全体を写し出します。不自然なひきつれ、胃や十二指腸のふくらみ具合、病変の位置・形・ 広がりの状態がわかります。
内視鏡(オプションでX線から変更可能)食道・胃・十二指腸の粘膜を直接見ることができる検査です。必要に応じて組織の一部を内視鏡的に採取して調べる検査(生検)を施行医の判断で行います。
超音波検査では、超音波のパルスを生体にあて、各臓器から帰ってくる反射波を画像に表わしています。各臓器の大きさや形、あるいは腫瘤などがないかを調べるもので人体への影響はありません。脾臓・膵臓については条件によって(脂肪・腸内ガス等)見えない場合があります。特に膵臓は腹部の奥に位置するため、ほかの臓器の陰になり膵頭部・膵尾部は十分見ることができません。胆嚢結石、胆嚢ポリープ、脂肪肝などがよく見られます。肝嚢胞、腎嚢胞、胆嚢ポリープ、肝血管腫、胆嚢腺筋腫症などは良性なので通常は特に心配いりませんが、経過観察が必要な場合もあります。
近視の検査を行っています。裸眼と矯正視力(眼鏡・コンタクトレンズ使用)の測定値になります。
眼圧角膜に空気を吹き付ける「空気眼圧法」で測定します。眼圧が21mmHgを越える場合には、緑内障がないか眼科で確認することをお勧めします。二次検査の指示がでた方は必ず眼科を受診しましょう。 ただし、眼圧が正常でも「正常眼圧緑内障」と呼ばれる緑内障は否定できません。この場合には、乳頭部の変化が重要で眼底写真が役に立ちます。
眼底眼の奥にある、網膜・視神経・眼底の血管などの状態を観察しています。眼底の血管は、唯一身体の外から見ることのできる血管です。この検査では、高血圧・動脈硬化・糖尿病の合併症の有無を見ています。網膜の病気や、白内障、硝子体混濁など、あるいは視神経乳頭の変化から正常眼圧緑内障についての情報も得られます。
低い音は1000Hz(ヘルツ)、高い音は4000Hzで検査します。一般的に加齢に伴い高い音は聞こえにくくなってきます。日常生活に支障を感じるようなら耳鼻科医の診察を受けることをお勧めします。
アディポネクチンは脂肪組織から分泌されます。内臓脂肪の蓄積とともに低下し、内臓脂肪の減量とともに増加します。肥満やインスリン抵抗性に おいては、高分子量のアディポネクチンが特に低下しています。
HDL2コレステロール・HDL3コレステロール「善玉」コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールには、HDL2コレステロールとHDL3コレステロールが存在し、HDL2コレステロールは運動により増加して抗動脈硬化作用が強いです。一方、アルコールで増加するのは主にHDL3コレステロールで、本当に善玉なのかは不明です。
動脈硬化に対する「悪玉」であるLDLコレステロールに対し、MDA-LDLは「真の悪玉」である酸化LDLの一種です。
スモールデンスLDL(sd LDL)サイズが小さいため血管に入り込みやすく酸化されやすいことから、動脈硬化が起きやすいといわれています。
アポリポ蛋白BLDLと超低比重リポ蛋白(VLDL)の主要構成蛋白であり、特にLDLの変動を反映するため、脂質異常症や動脈硬化の指標となります。
脂肪肝でも肝線維化が認められると肝硬変や肝がんの合併率が高いと報告されています。M2BPGiという肝線維化ステージを評価する血液検査と、フェリチンの測定や各種マーカーにより脂肪肝の重症度を評価します。
体内に悪性腫瘍(いわゆる「がん」)ができると、健康なときにはほとんど見られない特殊な物質が大量に作られて血液中に出現してきます。この物質を「腫瘍マーカー」といいます。腫瘍マーカーには、がんがある程度の大きさになるまで陽性を示さないという性質があり、陰性でもがんを否定できるものではありませんし、がん以外の要因によって陽性を示すこともあります。現状では、がんの早期発見のためというよりも、主としてがんを診断していくときの補助的な検査のひとつとしての意味合いが強くなっています。
CEA主に胃や大腸などの消化器がん、ほかに消化器以外のがんや良性疾患でも 上昇します。健康な人でも約3%の人は基準値を超える場合があり、高齢や喫煙でも上昇傾向にあります。
CA19-9主に膵臓がんや胆のう・胆管がん、ほかに肝硬変症、胆石、糖尿病、慢性 肝炎などでも上昇します。
AFP主に肝臓がん、ほかに肝硬変、慢性活動性肝炎などでも上昇します。
前立腺組織に存在する物質です。前立腺がんの発見に役立ちます。しかし、この項目は前立腺肥大や前立腺炎でも高値になります。
「超音波」を使って乳腺の状態を観察する検査です。触診でしこりとして触れないような、小さな変化を見つけることができます。